: DEVOAの起源 Ⅳ
生地制作の特別な協力者
弊社では沢山の生地制作会社からのご協力を得て生地を制作させて頂いております。
その中でも10年ぐらいお世話になっているイタリア・ファリエロサルティ社をご紹介致します。
イタリア・カンピにあるファリエロサルティ社本社
/ 隣町のフィレンツェ
DEVOAでは2017年の出会いからコラボレーションが始まった。
インタビュー等で日本の生地との違いを問われますが大きく違う事は根本的な原料の品質と生地の仕上げ(専門的には整理加工)が圧倒的に違うと感じます。
その生地は発色も含めて毎回素晴らしく世界中のデザイナー達を魅了している。
DEVOAではこの生地によって沢山の学びがあった。それは良い生地を使って商品を制作すれば良い商品に仕上がる訳では無いと言う事だ。
私が選ぶ生地が特殊な事もあるが製品に使う生地の分量やデザインに合わせて表生地以外の細やかな考えが無いと製品が美しく仕上がりません。
勿論、縫製技術者の技量が多くを左右しますが特に生地に対して使う副素材(芯地)が生地の特性と製品の仕上がりや着用感に対して大きく影響する事を学んだ。
創業者ファリエロサルティ氏 / 生地サンプルルーム
生地と会話をする…と表現すると大袈裟ではありますが良い仕立ての商品制作を考えると適正な芯地とのバランスを必ず求められる。
芯地とは表生地と裏地の間にある薄い生地の事で製品自体を立体的にしたり柔らかく仕上げたりする製品の影武者の様な存在だと思う。
DEVOAのモノづくりに関してサルティ社の生地からこの事を学んだ事はDEVOA全体の品質に大きく影響を与えた。
編み物・織物・生地整理加工まで一貫して行う工場内
様々なビッグメゾンと取引をするサルティ社ではありますが現在のオーナーであるロベルト氏を含めた家族経営で私が工場に伺った際にも沢山の思い出と学びを受け取った。
イタリア・カンピにある広大な敷地面積の工場に伺った際にも生地の事、途中工程や生地加工の事を沢山学んだ。
特に70年以上続くサルティ社がビッグメゾンに提供した生地を含むアーカイブルームを案内してくれた時はとても嬉しかった事を覚えている。
そのアーカイブルームにある生地は膨大な量でどれも個人的に勉強になる事が多く、その部屋で私を1人にしてもらい4時間程色々な生地を触ったり生地組織や加工を学ぶ事が出来た事はとても良い思い出だ。
ビッグメゾンへ出荷を待つ生地
/ 膨大な量の生地アーカイブルーム
イタリア等のヨーロッパでは日本では見られない材料や加工方法がある。
私が実際に商品として使った素材の中ではヴァージンウール、キャメルヘアーは特徴的な素材だ。
同じ名称の素材は日本の生地でも聞く事がありますがファリエロサルティ社のその素材は日本では見る事が出来ないとても特徴的で素晴らしい生地を制作する。
この素材は年々原料が高騰しており、DEVOAでは価格的に使い辛い生地となっていますが製品になった時は毎回素晴らしい製品となってる。
生地を織った後、その加工方法に関してイタリアの工芸的染色技術である低温染めが色の表現も含めて特徴的だと思う。
この低温染による加工は天然繊維から獣毛繊維まで加工する事が可能で、生地の色に対してさまざまな表情を作る事が出来る。
私も日本で生地を作る際にムラ染めをオーダーしますがファリエロサルティ社の低温染めの雰囲気は独特でとても魅力的な生地に仕上がる。
詳細は企業情報の事があるので明確には書けませんが他にも人の手仕事でしか出せない加工やテキスタイルデザインの考え方や色の掛け合わせなど魅力的な内容が沢山ある。
本社内に飾られた写真家Javier Vallhonrat氏による
ファリエロサルティの生地をつかった美しい写真
またイタリア滞在中はロベルト氏のご自宅に招いて頂き手作り料理をご馳走になる機会が幾度かあった。
ロベルト氏の家は勿論大きな敷地面積ではありますが一般家庭の様な雰囲気があって、一見して理解出来るような豪華な事は殆ど無かった。
しかしその場所は高台にあり、街を一望出来る事と広い庭にはオリーブの木が沢山植えてありそこにはゆったりとした時間が流れていて、高台から見る景色と時間の流れは本当の贅沢とは何なのかを考える経験をさせてもらった。
ロベルト氏が日本をとても気に入っていて民芸品など多数所有している事も日本人として嬉しかった事も良い思い出だ。
プラトーの街を見下ろす位置にある
ロベルト・サルティ氏の邸宅
日本の生地制作会社もとても素晴らしい生地制作を行なっていますが日本人とのモノづくりの根本的な違いを体感するとても良い経験と時間になった。
私は縫製現場、生地制作現場からも沢山学ぶ事や影響を受けて今のモノづくりに繋がっている事に日々感謝しながら制作を続けたいと心から思います。







































