刹那の詩

: Yin and Yang

テーマは『陰と陽』

今回は形状を屏風とし、空間に影響を与える壁をイメージして制作しました。
屏風本体の制作は東京墨田区にある1946年から創業の片岡屏風店で製作して頂きました。
依頼した屏風は高さが280cmあり歴史的にも製作した事が無い屏風だったようで今回の制作には大変尽力して頂きました。
とても感謝しております。

屏風は1面を1曲と呼び、左右セットで1双と呼びます。
今回制作したサイズは6面×2体なので専門的な呼び名は6曲1双です。

表側には日本・徳島県で製作した手漉き和紙を土壁の様なテクスチャーで依頼して製作して頂きました。色に関しても色ムラが出るように不均一に仕上げていただきました。
上下金色の部分は真鍮箔に漆を塗り陰陽を表現できるように指示して色付けしています。

裏面は能登上布の糸を製作するようにラミー糸(苧麻)をそれぞれの色で染色し、こんにゃくのりを引いて制作した糸を使い機械織機で製作した生地を裏側の全面に貼っています。

今回制作した屏風のイメージとしては、左右で陰陽と分けて制作していますが空間に影響を与える事を前提とし、そびえ立つ屏風の形状と和紙の雰囲気を体感して頂ける事を目標としました。近くに行くとサイズも大きいので土壁の空間にいるような感覚になると思います。大きい作品を作る難しさと楽しさを経験した個人的にも多くの記憶が残る作品です。

日本国内で初めて展示させていただいた空間は、京都・Gallery SUGATAにて展示させていただきました。
空間は天井も高く280cmの屏風も置く事が出来るとても素敵な空間で個人的にも多くの経験をさせていただきました。
特に京都ならではの文化財のような空間に手入れが行き届いた庭との融合がとても素敵で記憶に残る財産となりました。

この場を借りて社長の荒木様、スタッフの今村様と鈴木様には大変感謝しております。
Galleryと併設された然花抄院では素敵は和菓子と洋菓子も一緒に楽しむ事が出来ます。
特に驚いたことは社長の荒木様が建物の壁面含めた商品パッケージのデザインをされていたのですがとても美しく、洗練されており商品以外でもおもてなしの心が行き届いている事に沢山学ばせて頂きました。今後海外でもこの感覚を経験できない素敵な記憶となりました。

この文を読んで戴いている方も京都に行かれた際は是非、然花抄院とGallery SUGATAを体感してみてくださいませ。
[ https://www.su-ga-ta.jp ]

Created: 2018年
First Exhibited: Gallery SUGATA Kyoto 
Material: Japanese paper, lacquer, ramie, wood, brass foil
SIZE: 280cm×80cm×6pcs×2pcs(6曲1双: 6 sides x 2)